ジェネリック医薬品

なぜジェネリックとよぶの？

お薬には、時間と膨大な研究･開発費をかけ、厳しい臨床試験を経て製品化された先発医薬品（新薬）と、特許期間が切れた後、同一成分の製品の製造が許され製品化された後発医薬品があります。

ジェネリック（generic）は（一般的な）という意味の英語です。欧米では特許期間がきれた医薬品はどの製薬会社の製品でも処方されるよう、有効成分名（一般名）で処方され薬局で患者様が選ぶことができることから、後発医薬品はジェネリック医薬品と呼ばれます。特許期間は20年〜25年です。

このことから、どのお薬にもジェネリック医薬品があるわけではないことがお解かりいただけると思います。

昔は後発医薬品の品質基準が一定ではありませんでしたが、国がジェネリックの使用を進めるため、現在は厚生労働省による基準が設定され、それをクリアーした製品のみがジェネリック医薬品として医療に用いられます。その品質に関するデータはオレンジブック（日本薬剤師会編集）などに記載されています。

また　20〜25年にわたって使用されている薬品は、成分としての有効性と同時に、多くの臨床データから安全性や使用上の注意点もはっきりしています。ジェネリック医薬品はそういった点を踏まえた上で、製造が許可された薬品です。

安くなる場合とほとんど変わらない場合があります

研究開発費は製造面にほぼ限られるため先発医薬品に比べて安価に製造することができます。ジェネリック医薬品は先発品の薬価の2/10〜7/10と決められています。
（保険調剤薬は薬事法で決められた調剤技術料と薬価を基準に料金が計算されます。）

ただし、投薬されるお薬すべての薬価の差がそのまま患者様の窓口負担額の差になるわけではありません。１割、２割、３割などそれぞれの保険の種類によって、先発品と後発品の薬価差額の10％、20％、30％程度の額（定められた計算式による）が減額されます。

実際に計算するとかなり安くなる場合とほとんど変わらない場合とあります。

結果として

個人負担はそれほど変わらない場合であっても、日本の医療財政の負担を軽減することは確かです。

医師は患者さまにとって最善と思われる薬品を選びます。ジェネリックでも同等の結果が期待できる場合は処方せんの下の備考欄に後発医薬品への変更可の署名または捺印されます。

もし変更することに何らかの問題が考えられる場合は、署名をしないか、または、その薬品名（商品名）の下に変更不可と記載します。

患者さまが医師・薬剤師とよく話し合い、治療をする上で最良の方法を見つけることが一番大事なことです。